◎何かが変わっている
取材では、いろいろな会社に出合います。事業そのもが面白い、経営の仕組みがユニーク、会社の建物が変わっているなどなど。会社の内面もあれば、外観の面白さもあります。
先日、取材で訪れた会社は、社長の見た目。外見でした。事業内容は染色業で、社内のスタッフは、職人さんでもあります。
◎地味な社長さんをイメージ
長いこと取材活動をしていますので、ボクはその職業でだいたい社長の雰囲気をつかむことが出来ます。今回も、作業服を着ておられ、そんなにファッションにこだわらない、ちょっと色白の地味な社長さんをイメージしていました。
そして、出てこられた雰囲気を見て、びっくりしてしまいました。雰囲気がまるで違っていました。モノづくりの社長さんというより、東京六本木周辺で見かけそうなIT系のベンチャー、スタートアップ企業の社長でした。
◎チャラ系社長の雰囲気
名刺交換させてもらいました。手の爪には、なんと銀色のマニュキアをされています。さらに手にはボディーペイントらしきものもされています。
顔も真っ黒です。ドレスシャツの上着のボタンも外されておられ、ネックレスも光っていました。悪い表現をすると、見るからにチャラ系の社長の雰囲気でした。
◎パート社員にも家族手当て
すぐに社長のファッションの真相をお聞きしたかったのですが、失礼かなと思い我慢して、まず事業内容を説明してもらいました。Tシャツなどにプリントされる捺染のお仕事でした。
3代目社長さんで、歴史もあります。社員のあいさつなど礼儀をしっかり教育されています。社員には時々手紙を書かれて、コミュニケーションにも気を使われます。パート社員にも家族手当を支給されていました。
◎我慢できずに質問
会社を元気にする基本は、しっかりとやっておられます。業績も好調なようで、ボーナスも半端な額ではなく、大手企業の社員もビックリしそうです。
そんな会社の社長さんがこんなチャラ系ファッション?我慢できずに、「ところで社長のファッション変わっていますね?」と聞いてしまいました。
◎マイナスイメージから入る
「やっぱりそう思うでしょう」と笑われます。本音の話をしてもらいました。父の後を受けて社長になられた時、社員は社長の前では本当のことを言ってくれない。社員からタメ口で、私に何でも喋って欲しいと思いました。
そのためには、社長らしいファッションではなく、友達感覚で喋られる雰囲気をつくろうとされたそうです。また、営業を担当されている社長ですから、取引先を回ると、「なんやこの社長は?とマイナスイメージから入ります。でも話していると、私の経営の思いを理解してくれ、逆に良い評価をしてもらえます」と。
◎あえてチャラ系をイメージ
私も全く同じ感覚で社長のイメージがプラスになっていました。そうだったのです。まだ若い社長さんですが、社員や取引先の心理を読んで、こんなチャラ系ファッションを楽しんでおられました。
外見で人を判断してはダメ。改めて、そのことを強く思いました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞