◎大手モノづくり企業の不祥事
今年もこのコラム読んでいただき、ありがとうございます。来年もよろしくお願いします。
大手企業のモノづくりが、どこかヘンです。検査の改ざん、無資格者の検査など不祥事が相次いでいます。
でも、ほかにも大相撲をはじめいろんなニュースがいっぱいあるので、あまり大きな議論にもならずに過ぎ去ろうとしています。メディアもスポンサーとの関係もあってか、あまり深追いしていません。
◎開発担当者が嘆く
日本の将来にとって、大きな禍根を残すことになりそうです。日本のモノづくりをもう一度見直さないといけない時期に来ているようです。
先日、ある会合でお会いした大手企業の担当者さんが嘆いていました。これまでなら、面白い開発テーマをあげると、「それ面白そう。ちょっとやってみろ!」と言われて、気軽にやらせてもらえたそうです。
◎これ、儲かるんやろな
しかし、今は全く違うと言われます。新商品や新技術の企画をあげると、まず言われるのが「これ、儲かるんやろな」と。そして、何年後にはいくら儲かるか、その数字を出さないと開発着手が認めてもらえないそうです。
そうなると、絶対儲かるビジネスしか出来なくなってしまいます。面白い、ちょっと変わったユニークなアイデアが出なくなっています。
◎若手研究者が大企業を辞める
最近テレビを見ていても、大手食品、化粧品会社のCMは、青汁、眠り薬、健康食品、若返り美容ばかり。開発コストをかけずに簡単に儲かる商品です。
研究開発者が、知恵を絞った新商品になかなか取り組むことが出来ないのです。そんなこともあって、30歳代の若手研究者が大手企業を辞めるケースも少なくありません。
◎優秀な技術者には高額賃金
さらに、韓国などの家電メーカーは、日本で研究開発者を募集しています。その賃金を聞いてびっくり。
日本の大手企業の初任給の倍の給与を払うそうです。これは何も日本の優秀な技術者だけを引き抜くためにしているのではないのです。
◎国内から出て行く技術者
優秀な技術者には、そのぐらいのお金を出して集めるのが、世界の潮流、常識になっているのです。でも、日本の大手企業では、相変わらず横並びで初任給を設定しています。
優秀な人材だけを特別扱いして集めることが、日本の産業界では和を乱すため、出来ないのです。これでは、日本の優秀な技術者は、国内からどんどん出てします。
◎モノづくりを救う中小企業
日本のモノづくりが、急速に力を削がれ、ダメになっているのです。これを救うのは、大手企業ではなく、しがらみの少ない中小企業ではないでしょうか?
中小企業には、お金も人材もあまりありません。でも、自由度、やりがいはたくさんあります。
◎中小企業へ転職すべき
パナソニックもソニーもホンダも、みんな中小企業でした。大手企業で悶々としている研究開発者は、中小企業へ転職すべきです。
そこで、開発した商品が大ヒット、株式上場出来ることになれば、やりがい、収入も増えます。優秀な技術者にとって、中小企業にこそ活躍の場があると思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞