◎地方がより厳しい事態
地方創生、地方の活性化、地方の時代など、最近は都会よりも地方が取り上げられるケースが増えています。それを裏返すと、地方がより厳しい事態に追い込まれているということでもあります。
ボクも時々地方に講演に行きますが、商工会議所の幹部さんと話していると、ほぼ暗い話に終始します。若者が出て行き、残っているのは年寄りばかり。商店街は空き店舗だらけ。
◎暗い気持ちで講演
「地方の都市は死にかけていますよ」と本気でおっしゃいます。それなら、地方創生、地方活性化に取り組んでおられるのかというと、あまり明るい話は出てきません。嘆き節ばかりです。
さあ、こらから元気な中小企業の話をして、みんなを盛り上げようと思っていたのに、カウンターパンチです。ちょっと暗い気持ちのなってしまいます。
◎滋賀県の男性セレクト店
先日は、滋賀県のある町へ取材に行って来ました。こちらも鉄道の駅からは、少し距離があります。都会ではありません。田舎の町です。
取材したのは男性専科の衣料品店でした。こんな田舎の町ですから、そんな最先端のファッションは難しいと思っていました。でも、店内に入ってびっくり。
◎人気の秘密を取材
オシャレなブランド物の衣料品がたくさん置かれていました。失礼ですが、なぜこんな田舎の町にある男性専科ファッション店にたくさんお客様が来られるのか?大変、気になります。その秘密はどこにあるのか?取材しました。
30年以上も前に8坪のお店でスタート。「時代が大きく変化。インターネットも登場し、いち早くネット販売にも挑戦しました。これからは、お店のブランディングが大事だと思いました」と。
◎全国誌に広告を
今でいう男性ファションのセレクトショップです。まず、お店のイメージを高めたいと、全国販売されている雑誌への広告を思いつかれます。それも、最初から年間契約で申し込まれたそうです。
でも、なかなか勇気のいることです。全国誌に高額なお金をかけて、広告を出してもホンマに効果があるか?全く分かりません。ギャンブルに近いやり方だと思います。
◎県外からもお客様
実際、そう簡単には雑誌広告の成果が出るものではありません。周囲の反対を押し切って雑誌広告を打たれましたが、「最初の3カ月程度は全く反響ありませんでした」と振り返られます。
でも、あきらめずに半年、1年と続けられました。そうすると、毎月広告を見た読者が、その広告に興味を惹かれて、滋賀県外から来られるようになったそうです。
◎読者だけでなくメーカーも
滋賀県だけでなく、三重県、愛知県、福井県からもわざわざ来店されるそうです。さらに、雑誌広告は読者だけでなく、アパレルメーカーにも反響を与えるようになりました。
メーカーさんも、地方のお店でこれだけの広告を出されることに興味を持たれて、お店にアプローチされるようになりました。こんな元気なお店と一緒にイベントやっても良いだろうと思われたそうです。
◎メーカーとイベントも
アパレルメーカーとコラボし、こちらの店舗で限定品の販売会。また、メーカー新商品発売のイベントを全国に先駆けて、ここからスタートとなりました。
通常、こういうイベントは都会の店舗ですが、雑誌広告の効果から郊外のお店でもできるようになったのです。これにより、さらにお店のファンが広がりました。
◎新聞や雑誌は使える
ネットの出現で、新聞広告や雑誌広告が激減していると言われています。でも、新聞や雑誌を読まれている人はまだまだたくさんいます。
悪いとこばかりを見るのではなく、良いところもしっかり見ましょう。新聞や雑誌への広告効果は、知恵を絞ればまだまだ使える媒体だと思いました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞