◎儲けることが目的
取材していて思うのですが、最近、会社の目的が少し変わって来たようです。これまでは、何か事業をやって利益を出す、儲けることが目的。社長さんも、事業で大金持ちになるのが夢でもありました。
どんな事業やりたいか?その答えは儲かる事業です。日本全体が貧乏な時代。地方の次男、三男、四男はその地で食べていける余裕はありません。
◎生活のために事業をやる
そこで、地方を飛び出して都会でひと旗あげようと出て来られました。食っていく、生活出来ること。これが仕事をやる、事業をやる一番の目的でした。
ところが、豊かになった日本では、社長さんのビジネスに対する思いも変わって来たのです。社長さんにビジネスのきっかけを質問すると、お金儲けではない答えが返って来ます。
◎アパレル会社の目的は
先日、取材した会社の社長さんも、お金儲けが事業の目的ではありませんでした。若い女性向けの服を製造、販売しているアパレルメーカーです。
洋服を売って収入を得る。もちろんこちらの会社の1つの目的でもあります。でも、全てではありません。お金儲けの手段として、アパレルを始められたわけではありませんでした。
◎ママを応援してあげたい
「子供が出来てお母さんの子育て大変さを実感しました。ハードワークである子育てのママをサポートしてあげたいと思いました」と。なんと、優しい男性ではないでしょうか。
ママを応援してあげたい、その気持ちでビジネスをされているのです。普段使いの着やすい、動きやすい洋服。値段もリーズナブルです。
◎ベーカリーショップも運営
さらに、洋服だけでなく、「衣食住にかかわるもの。納得出来る思いや理由が詰まった暮らしに役立つものを手がけたい」とおっしゃいます。生活用品雑貨、さらにベーカリーショップも運営されています。
現在、直営のアパレルショップ4店舗に加え、併設する形でベーカリー、スープ、レストランなど飲食店4店舗を経営されています。なぜ、アパレルメーカーさんが、パン屋さんもやられるのか?ダイレクトに聞いてしまいました。
◎お客様のライフスタイル
その答えは、「お客様のライフスタイルを考えると、衣料だけではありません。食にもこだわっておられます」と。こちらのお店の洋服を購入される人は、食についても生活に対する共通点がたくさんあるというわけです。
洋服にこだわるように、パンにもこだわります。子育てママがアパレルショップやベーカリーで、日常から離れた雰囲気で、少しの間ひと息入れたい。
◎“三方良し”の考え
「そのママの気持ちを応援してあげたい」と。ライフスタイル、世界観を共有して、楽しい暮らしを提供、その結果ビジネスに繋がることになるのです。
時代の流れに合わせて、ビジネスも変化していかなければなりません。でも、基本はあの近江商人の“三方良し”の考えです。自社、お客様、そして世間です。
◎皆んなが幸せになる
皆んなが幸せになるビジネスモデルです。けっしてエエかっこではありません。社会に必要とされる会社を目指さなければなりません。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞