ドローンの研究開発型企業、エアロジーラボ(AGL、電話072・722・3350)は、大型のハイブリッドドローン2号機を今年度中に市場に投入する。現役歯科医が開発した日本初の本格ドローンで、世界からも注目を集めそうだ。
2012年に設立。大阪府箕面市に研究開発拠点を持つ、日本でも数少ないドローン機体のメーカーだ。創業者の谷紳一社長は、大阪市平野区で今も歯科クリニックを運営するドクターでもある。
「子供の頃から音楽、スポーツと色んな趣味がありまして、その1つにメカも好きでした。ラジコンヘリコプターにのめり込み、今で言うドローンに興味を持つようになりました」と。10年前からマルチローターヘリコプターの開発を趣味で行い、事実上のドローン研究に乗り出す。
谷社長が開発したAGLドローンは、従来のバッテリー式ドローン対し、エンジンで発電するハイブリッド方式。バッテリーなら滞空時間は一般的に10-15分と言われるが、最長3時間飛べるのが最大の特色。
2018年12月の岡山県での荷物配送実証事件では、約1時間にわたり40㎞飛行に成功し注目を集めた。「物流などの実用性では優位性を証明出来ました」と。
さらに、改良型の2号機の開発を進めており、今年度中に完成、製品化する計画。総重量は23・5kgで搭載重量は10kg。6・5kg搭載で95分、60㎞飛行出来る。価格は1号機よりも高くなるが、200機の販売目標を掲げている。
谷さんは、時間のおよそ半分は歯科医の仕事で、その合間をぬってドローン開発に従事。「資金調達などビジネスを軌道に乗せるにはまだまだ課題も多い」と、スタートアップ企業の苦しさを話す。
一方、近畿経済産業局が進める大阪・関西万博に向けた水素エンジンを動力源とするパッセンジャードローン( 乗用)「HyDrone(仮称)」の設立準備委員会委員長にも就任。歯科医とドローンベンチャーの2つの顔で忙しい日々を送っている。
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