◎観光バス、ホテルドタキャン
新型コロナウイルスの出現で、大阪市内も一変しました。地下鉄に乗っても、心斎橋を歩いていても中国人の観光客がたくさんいましたが、今は数える程に激減。
春節を当て込んでいた商店街にとっては、大打撃だと思います。特にホテルや観光客バスなどはキャンセルが相次いでいるようです。
◎弁護士さんに取材
でも、これは一種の天災のようなものですから、予約客に対してはキャンセル料金を払えとは、なかなか言えない状況だと思います。でも、先日取材したのは、こんな気の毒な予約客ではない、ちょっとタチの悪いお客様への厳しい取り立てでした。
取材したのは、弁護士さんでした。メインは中小企業やお店の困りごと、訴訟などに対応されています。そんな中、ある顧問先の経営者がカフェも運営しておられ、予約のドタキャンで困っておられました。
◎ドタキャン客に損害賠償
ある時、ひどいドタキャン客に対して、弁護士さんを通じて損害賠償の請求を伝えたところ、裁判になったらまずいと、振り込んでくれたそうです。弁護士の力を実感され、ドタキャン客に泣かされるお店の人のために立ち上げられました。
「今まではほとんど泣き寝入りされていました。ドタキャン被害の額は大きいですからね」と、おっしゃいます。弁護士の経験と知識を活かして、昨年の夏に無断キャンセルの損害を回収するWEBサイトを立ち上げられました。
◎サロン、飲食店、ホテルなど
対象は、要予約を前提に営業されたいますネイルサロン、マッサージサロン、飲食店、観光ホテル、旅館など。変わったところでは、占いサロンなどもあるそうです。
「こういったお店では、直前にキャンセルされると、準備にかかった費用だけでなく、その時間帯が無駄になり、お店にとっては大きな損失になりますからね」と。でも、ドタキャンが全て損害保証の請求ができるかというと、実はそうでもないそうです。
◎席ではなくコース料理予約
例えば、飲食店の場合は、席の予約だけなら難しいそうです。席だけでなく、コース料理を予約してのキャンセルなら、対応できると言われます。
つまり、その料理のための食材も購入されているわけで、全てが損失になってしまうからです。それなら回収出来るわけで、弁護士さんの専門知識を活かされます。
◎ホンマに払ってくれる?
有料会員(月額980円)と無料会員があり、有料会員は回収額の2割、無料会員は同4割が弁護士さんの手数料になる仕組みです。ドタキャン客で困っているお店がたくさんあり、各メディアではこの弁護士先生の取り組みを紹介されました。
現在、全国で約200店舗が会員なっておられます。気になったのは、その回収率でした。ドタキャン客にとって、弁護士さんから損害請求されたら、ホンマに払ってくれるのでしょうか?
◎支払い率高い関東
弁護士さんのお話では、回収率は3割程度ということでした。お店の場所や年齢層によって、払いの良いところ、そうでないところが見えてくると言われました。
まず、関西と関東では圧倒的に関東の方が支払い率が高いそう。とくに、東京の高級住宅街にある高級料理店では、回収が進むそうです。
◎関西、女性が厳しい
その一方、関西はなかなか払ってくれないですねと、笑われます。なぜ、ドタキャンになったか?をしっかり説明され、不可抗力に近いことをアピールされ、振り込んでくれないそうです。
また、男性と女性では、女性の払う率男性に比べて明らかに低いと言われます。若者も同様で、お店に対する悪気のような気持ちがあまりないということでした。
◎会員数1000店舗目指す
今年中には、会員数を1000店舗に増やす計画だそうです。お店などでの予約営業が増えている中、将来性のあるビジネスかも知れません。コース料理の予約は気をつけましょう。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞