◎世界で日本酒が注目
世界的な和食ブームの中で、日本のお酒も見直され、世界から注目を集めています。これまで、ボクの取材でも日本酒業界はちょっと元気がありませんでした。でも、最近は明るくなっています。
蔵元の見学には、老若男女大勢の人が押し寄せています。また、インバウンドブームのころは、大きな観光バスが蔵元 に到着。見学後には、高級な日本酒を抱えるようにして、バスに乗り込む光景をよく見ました。
◎日本の伝統産業
今は新型コロナウイルスの影響を受けて、厳しいです。が、一時期のどん底を脱しているのは間違いありません。日本の伝統産業でもあります日本酒、頑張って欲しいと思っています。
日本酒は他の産業と違って、特殊な業界です。まず、アルコールということで国との関連、許認可を含めて国税庁と深い関わりがあります。お酒の等級なども決められています。
◎先駆的なモデル
また、製造では自社の社員ではなく杜氏と呼ばれる職人が、大きなウエートを占めています。製造部門を外部に委託して、お酒をつくっているのです。
このほか、小さな酒蔵からブランド力のある大手酒造会社は、桶買いをされて自社ブランドで売られています。OEM供給とブランド展開。今のビジネスの先駆的なモデルを構築されています。
◎縁の下の力持ち
そんな特殊な日本酒業界で、先日の取材でまた新しい発見をしました。歴史があり、特殊で複雑な日本酒の世界で、縁の下の力持ちをされている会社がありました。
酒づくりに必要な多彩な醸造関連商品を扱う会社。機械などのハードだけでなく、人的ネットワーク、知識を活かした情報の提供などソフト面でもサポート。日本酒を陰で支えておられます。
◎醸造関連用品の会社
「26年間この仕事をしています。大変ですが、やりがいのある仕事です」と、2代目社長はおっしゃいます。お客様は、蔵元と呼ばれる日本酒の醸造所です。
関西をメインにし全国の蔵元とも取り引き、日本酒の業界では醸造関連用品の会社として知られた存在でもあります。精米、洗米から仕込み、圧搾濾過、瓶詰め、貯酒設備と多くの工程に携わっておられます。
◎オリジナル装置も開発
その必要な機械設備全てに関わり、醸造所と一体となって酒づくりに取り組んでいます。設備には、高能率プレート式熱交換器、殺菌装置などオリジナル装置も開発。ソフトを含めた総合的なアドバイスをされます。
「蔵元、杜氏、国税局の専門家ともコミュニケーションをとっています」と。26年間培った人脈を活かし、醸造所の困りごとにスピーディーに対応され、蔵元から大きな信頼を得ておられます。
◎頼りになる存在
ビジネスだけでなく、蔵元のご子息の縁談などに関わることもあるそうです。蔵元にとっては、困った時に頼りになる存在です。
日本酒業界を縁の下で支えておられます。日本酒は多くの人の力で長く続けられていることを、改めて知りました。
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