◎どんな業種が元気?
コロナ禍の厳しいビジネス環境の中で、「今はどんな業種がよろしいのでしょうか?」と、よく質問されます。そんな時には、「いやー、今の時代は、業種はあまり関係ありませんな。同じ業種でも、経営のやり方で儲けておられる会社はいっぱいあります」と答えています。
確かに細かく見ていくと、エンターテイメント産業などは良いのかも知れません。建設や住宅もそんなに悪くはありません。それを細かく説明しても、なかなか納得してもらえません。
だから、業種よりも経営戦略という分かりやすい答えで逃げているのかも。ただ、激変の時代はやっぱり経営者の手腕で会社の成長が大きく変わることは間違いありません。
◎明るい仏壇屋さん
先日はちょっと変わった仏壇屋さんを取材しました。こちらの業界も時代や生活様式の変化で、お仏壇の需要も減少傾向にあり、成長産業とは言いにくい業種であります。
でも、職場は明るく、イキイキと活力があふれていました。その秘密はインドネシアにありました。
◎インドネシアに自社工場
インドネシアに自社工場を持っておられ、本黒檀を材料にした仏壇をつくっておられました。ボクは仏壇のことは良く分かりません。が、黒檀は非常に硬い材料で、今ではなかなか手に入らないものというイメージを持っていました。
取材では経営者さんが総出で対応してくださいました。そのイメージをお伝えすると、「そうですね。日本に出回っている仏壇で本黒檀は貴重な存在。既製品の仏壇で本黒檀製は多分、当社しかないと思います」と言われます。
◎本黒檀でリーズナブルな値段
値段も140万円弱とびっくりするほどリーズナブルです。確かに本黒檀でこの値段なら、間違いなく人気を呼び売れそうです。だから厳しい仏壇業界の中でも元気な経営を進めておられました。
さらに、もう一つ。現在、北海道から九州まで全国で販売されていますが、その販売体制もユニークでした。販売店は独立採算制の仕組みを導入されていました。
◎初期投資ゼロ、リクスがなし
具体的には、本社から土地、建物、商品を提供し、販売店は売り上げに応じた歩合で収入を得ることができます。初期投資ゼロ、リクスがなく売り上げを伸ばすほど、収入が増える仕組みです。
また、店舗が本社の株式を取得出来、やればやるほど収入が増えるのです。やる気を引き出すうまい体制を導入されていました。
◎従業員の持ち株会も
また、従業員の持ち株会もあり、本社、従業員、販売店が一体となって仏壇会社のグループを支えておられます。「今後は海外でも地元からの要望があれば店舗出店したい」と、海外市場を見据えた元気な仏壇経営を進めておられました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞