◎中古品の市場が形成
町のリサイクルショップ、ネットではメルカリなどの中古品ECサイトが市場を広げています。何でも新しいものが良いという時代から、安ければ中古で十分という若者も増えています。
さらに、環境問題からも地球への負荷が少ない中古の消費者の人気が集まっているようです。紙や金属スクラップから住宅、自転車、自動車、飲食店の厨房機器、雑貨、本までたくさんの中古品の市場が形成されています。
◎医療機器の中古買取販売
先日、そんな中古品ビジネスをされている会社を取材して来ました。お話を聞いて、こんな中古品市場もあったのか、と初めて知りまたまた良い勉強をさせてもらいました。
その中古品とは医療機器でした。なるほど言われてみると医療機器の中古も需要がありそうです。医療機器は車や家と同様に高い商品ですからね。ほぼ同じ機能を安く購入できるなら、中古品でも良いということになりそうです。
◎20年前にお父さんが発案
お会いした社長さんは、まだ30歳代の若い経営者でした。医療機器の中古ビジネスをよく思いつかれたと、社長さんにそのきっかけをお聞きしました。
すると、「いやー。実はボクではなく20年前にボクの父が思いつかれたビジネスでした」と明かしてくれました。お父さんが病院入院していた時、たまたまMRIを入れ替える状況を見られ、凄い高い値段にびっくり。
◎内視鏡、超音波診断装置、CT、MRIなど
それなら中古品を集めて売れば、面白いビジネスになると、退院後に医療機器の中古品ビジネスを始められたのです。さすが、関西の中小企業経営者さんは、入院していてもじっとしていません。しっかりとビジネスにつなげられるのです。
すでに、お父さんは医療機器のビジネスで成功、そこで働いていた息子さんが最近独立されて頑張っておられました。買取対象は、内視鏡、超音波診断装置、CT、MRIなど多彩です。
◎スマホで簡単売却
こうした中古ビジネスの一番のポイントは、どれだけたくさんの中古品を集められるか?ということです。販売ではなく、仕入れが勝負。ビジネスがうまくいくかどうかの分かれ目です。
「忙しいドクターにとっては医療機器の中古品を売る手続きが面倒でして、ついつい廃棄されます」と。そこで、今はやりのスマホを使って簡単にできるようにされました。
◎1300アイテム以上買取
そう、あのメルカリの手法を中古医療機器に導入されたのです。ネット買取をスマホでやられます。QRコードを読み取り、機器の分類を選び、サンプル画像を参考に撮影・登録して送信すると、査定結果がメールで届くられてくる仕組みです。
すでに、創業以来全国から1300アイテム以上の医療機器を買取っておられます。昨年には国立病院の移転に伴う不要な医療機器の処分を任されるなど、着実に実績を上げておられました。
◎社会的に意義のある仕事
引き取った医療機器は整備して、その9割は輸出され、中東、南米、アジアや欧米の現地代理店を通じて販売されているそうです。「社会的に意義のある仕事です。中古医療機器の認知を高め、業界全体を盛り上げたい」と社長さん。
有望な中古市場は他にもいろいろありそうです。AI、ドローン、ワクチン、タレント、墓石と中古ビジネスはさらに広がります。新品でしのぎを削るよりも、案外、中古商品がガッチリビジネスなりそうです。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞