「今の自分に感謝です」千日山弘昌寺住職 鳥居弘昌さん

波瀾万丈ですね。

「いやー、奇跡です。ボク自身も分かりません。不思議ですわ。百貨店勤務の後、実家の旅館を継ぎましたが廃業。演芸ホールを運営し落語会などを開いていました。その後、バブル崩壊などいろいろあって仏門に」

なぜ、また……。

「大阪ミナミの千日前。江戸時代は芝居小屋が6座、お寺も6つもありましたが、16年前に最後のお寺も無くなりました。このあたりは処刑場で、鎮魂のためにお寺が絶対必要と建立しました」

なかなかできないこと。

「周りの方に助けていただきました。場所を貸してもらい、びっくりする大きな寄付もありました。サポーターも…… 」

どんな方が。

「関西の財界人、中小企業経営者、個人の方など約40人です。予約で1日3組までお参りに来ていただけます。非日常の1〜2時間過ごして頭の中を空白に。
衆生救済に力を入れています」

宗教の力?

「実は私の祖先はカトリック宣教師でした。7年前にはローマ法皇にお合いさせてもらいました。拝む、祈ることで、無我の境地になることができます」

みなさんに一言。

「人生100年時代、若い頃は華やかな暮らしも良いです。だが、還暦過ぎたら平穏な気持ちで先祖を敬い、今の自分に感謝しましょう」

追記

▶住所=大阪市中央区千日前1丁目7ー11
▶電話=☎06・6211・7819
▶縁起=千日前法善寺横丁近くの上方ビル4階に本堂、3階に大師堂を構えた真言宗山階派のお寺。地下では護摩法要が行われ、4000回を突破した。壁面には巨大曼荼羅が描かれており、ミナミの歓楽街ど真ん中で祈りの小宇宙をつくる。

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