久保井インキ(☎ 06・6973・6211)は、新規事業で香るハガキなど香料インキに取り組む。その一環で、2025年の大阪・関西万博ではアジアの芸術家とコラボして、認知機能向上と癒しを狙った世界初の“香りのアート作品”を展示する。
大阪市東成区に本社工場を置く。創業は昭和21年で、一般インキ、シールラベル用インキ、UVイン
キ、金・銀インキなど多彩なインキを製造する。久保井伸輔社長は、世界的イベントである万博に強い関心を持ち、2019年の年頭所感で社員に向けて「必ず出展する」と宣言。
その約束通り2025年大阪・関西万博では香り印刷技術を活用した出展を実現する。インキの中にマイクロカプセル香料を入れて印刷、印刷皮膜を擦るとカプセルの中から香りが出る。オフセット印刷が可能で低コスト化し、長期間にわたって安定した香りが得られる。
ハガキや年賀状、DM、ポスターなどで商品化されている。今回は鳥取大学発ベンチャーのハイパーブレインの協力によるアロマセラピー香料を活用する。
「この香りは認知機能の向上効果があると言われています。万博では紙媒体ではなくアート作品で五感に訴えたい」と。入場者が自由に触れるアート作品を目指す。
アジアのアーティストに作品募集を呼びかけており、年内にも1~2人を選考。来年から製作にとりかかり、会期中の5月20日~26日に展示予定。
入場者は自由に触れて造形と香りのアートを楽しめる。