「かなあみってなあに?」金網製造会社が金網絵本を出版

藤田鉄網商工(☎ 079・567・0650)の藤田靖三社長は、子どもたちに金網をもっと身近に感じてもらいたいと、絵本「かなあみってなあに?」を文芸社(東京)と共同出版した。4種類の金網を絵と文字・擬音で楽しく読み聞かせ、絵本を通しモノづくりの想いを伝えたい考え。

兵庫県三田市下青野に本社工場を持ち、菱形金網を専門に製造販売する。従業員は10人。67歳から83歳までで、平均年齢は73歳というシニア町工場としても知られている。
藤田社長は、今年6月まで4年間にわたって西日本金網協会の理事長(現在は監事)を務める。「当社の菱形を含めてクリンプ、織り、亀甲の4種類の金網がありますが、子どもたちは知りません」と。

そこで、子どもたちに気付いてもらおうと、絵本コンテストに応募。これがきっかけで、絵本出版社の文芸社から提案、モノづくり業界では珍しい絵本が実現した。藤田社長の力作「金網のポエム」に、昭和感のあるイラストで仕上げた。

金網って何?の疑問に答える形で、つくる、イメージする、最後はその使われ方など、4種類の金網を分かりやすく表現。菱形では“カナアミマン”が登場、落石対策で人を守る“強い金網”を表現、子どもたちに伝える。22ページで構成、定価は1200円(税別)。文芸社提携の全国100書店で11月から販売。また、来年2月末から全国の紀伊国屋書店での配備も決まった。

藤田社長はシニア社員にも絵本をプレゼント、「おじいちゃんの仕事を孫に知ってもらえた」と従業員から大好評。「モノづくりを絵本で子どもたちの心に届けたい。将来、この絵本を読んだ子どもが、金網関連のモノづくりの世界に携わってくれたらこれ以上の喜びはありません」と話している。

定期購読のお申し込み