
堤淺𠮷漆店(☎075・351・6279)は、漆原料の供給会社の立場から日本産漆の復活に挑戦。一般社団法人パースペクティブを通じて植林活動を展開、サーフボードへの漆加工など用途開発にも取り組み、漆の新市場開拓を進める。
京都市下京区間之町に本社工場を持ち、2年前には漆加工のオシャレなショールームを新設、漆事業復活の活動拠点にする。創業は1909年。店舗奥では、仕入れた漆樹液を今も古来の手法で精製して全国の漆職人に提供する。
「漆の国内需要50年前に比べ今は20分の1に激減しています。文化財などの修復に使われる国産漆は2・2㌧程度。当社も提供させていただいております」と、4代目の堤卓也社長。日本の文化を支えるためにも、高品質な日本産漆の安定供給が急務という。
一般社団法人パースペクティブを設立、“工藝の森”の取り組みの一環で、京都北部の京北エリアで2019年から漆の植林活動をスタート。現在、200本弱が育成されている。「漆が取れるまでには15年もかかり、長い時間が必要です」と。
最近では、植林ベンチャーとの出会いもあり、5年で育つ早生桐と漆の植林事業コラボの可能性も検討されている。また、サーフボード、自転車に漆を塗るなど素材の価値を高める新たな取り組み、映像化で海外への情報発信も進める。
「植えることから始まる漆文化の復活は、まだ始まったばかりです。植える、育てる、いただく、つくる、使う、なおすという循環を築き、その営みを通して日本文化をさらに豊かなものにして欲しい」と話している。